無能の追跡隊〜スピーシーズ〜種の起源

先日、テレビで放送されていたスピーシーズ種の起源1995年を見た。ずいぶん前に一度見たが、再見してその時の怒りが甦った。

地球外の知的生命体から人類のDNAと結合させることができるDNA情報を授かった博士は、それを使って新たな生命体を誕生させる。シルと名付けらられた少女の容姿をしたその生命体。博士がシルを殺処分しようとした矢先、彼女は研究施設を脱走する。シルを追う博士は、追跡チームを作り、彼女の行方を追う。

誕生した生命体が幼い少女で、その少女があっという間にうら若き美女に変身して、繁殖のために片っ端から男と肉体関係を結ぼうとするという本作のストーリーはユニークであり、面白い。美女を演じるのは名のあるモデルさんらしいが、スラリとした美しい肢体を惜しげもなくさらし、肉食系の女子を演じる。エイリアン1979年のデザイナーとして有名なギーガーが参加していることからもわかる通り、作り手は多分にエイリアンを意識していると思うが、追撃アクションを主軸にしている点では、本作はむしろヒドゥン1987年のァリエーションである。

しかし、本作が問題なのは、博士が召集した追跡チームが無能な点である。メンバーは博士、霊能力者のダン、ハーバードの人類学者アーデン、分子生物学者ローラ、殺し屋のプレスの5人であるが、この人たちの間抜けぶりに終始イライラさせられる。博士はくだらぬ理由でメンバーを見殺しにしようとする酷薄な男だし、霊能力者はほとんど役に立っていないし、人類学者は変装した美女をエイリアンと気づかずにセックスするし、生物学者の女と殺し屋は追跡そっちのけでイチャイチャするし、見ていてちゃんと仕事しろ!と怒鳴りたくなる連中なのである。つまり、追跡チームに魅力がない。ギーガーの作ったエイリアンも、余り効果的にビジュアル化されていないのも不満だ。

こういう作品を見ると、登場人物は観客より賢い人間でないと、観客は登場人物に感情移入できないものだということがよくわかる。思うに本作が失敗したのは、追跡隊を複数の人間にしたからだと思う。追跡する人間を博士と殺し屋二人に絞り、二人が対立しながらもシルを追うという風に作れば、もっとタイトなアクションホラー映画になったのではないか。

本作。Amazoncojpより